ソラは今日も喧嘩中
しかし、来るなと言われれば行きたくなるのが小西空。

きっと病室に行っても大空はいないだろうから、こっそり手土産と手紙を置いていこうと思って病室へと向かった。

すると、

「ふざけるな!!!バスケできねぇならもういい!!」

病室の扉に手をかけて、固まってしまった。

もう、バスケができないの?

どういうこと?

中からは、咲子のパパの声が聞こえてきた。

「リハビリが終わったら、また少しずつ動けるようになるよ。

前のようには行かないけれど、いずれバスケも少しはできるようになる。

だから頑張ろう、ね?」

そのとき、



ガシャーン!!



中から、床に金属の物がいくつも落ちる音がした。

「それじゃ意味無い!俺は、高校でレギュラーとってエースなって優勝すんだよ!

もう戻れないなら、もうバスケなんか、辞める...」

途中から泣き出したような大空の声が弱々しく聞こえてきた。

まるで、大空が別人のようで怖くなった。

私は手土産も手紙もそのまま持って、逃げるように病院を後にした。
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