ソラは今日も喧嘩中
昼休みのことだった。

「どうしたの、ムスッとして。」

そう言って、片手で私のほっぺを摘んだのは桜だった。

「何でもないよ。」

そう言って、ニコリとする。

だって、付き合って二週間もしないでもう愚痴とか、これからやっていけないでしょう。

「何でもないわけないでしょ。

顔に書いてるわよ、“大空のバカ”って。」

「なんでわかっ...っ!」

しまった、口が滑った。

まぁ、今から隠してももう遅いのかもしれないが。

「放課後、ドーナツでも食べに行かない?

今、100円セールよ、ドーナツ食べたかったのよね〜。」

そう言って、またいつもの雑談へと切り替わった。

桜、ダイエット中なくせに。

そんな見え見えの嘘に、心が救われた。
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