ソラは今日も喧嘩中
「あれって、これのことか。美味しいよね、ちょっと渋いね。」

桜が私のカゴの中を見て言った。

そう、大空が言っていた“あれ”とは、都こんぶである。

匂いが凄いので、こういう時この独特の香りの発信源はいつも大空だとわかる。

嫌でも“あれ”でわかるようになってしまうのである。

すると咲子が、

「こにちゃんと大空くんって仲良しだよねぇ。」

といきなり言ってきた。

「んなことないし!腐れ縁だよ、腐れ縁!」

そう言うと、

「そーんなに熱くならなくてもねぇ。」

と、桜はにやにや。

こういう会話は、小さな頃から嫌なほどしている。

しかし、未だに上手い返しができた試しがない。

全力でふくれっ面をして、せめてもの抵抗をした。
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