ソラは今日も喧嘩中
日がだいぶ傾いて、もうじき隠れてしまいそうな頃だった。

「おーい!!」

前から歩いてきたのは、先生と電球だった。

「はいはいはい、大空お疲れ。選手交代でっす!」

そう言って敬礼した電球をスルーして、大空はスタスタとゴールを目指した。

「もうちょいだろ、お前に最後いい所だけ持ってかせるかよ。」

「ええー!俺の立場ないんだけど!」

そう言いながら、大空と私の隣を歩いてくれた。

先生方も来てくれたが、この山から出ないと手当もしようがないので、前後を囲んでくれるのみであった。

ゴールには、班のみんなが待っていてくれた。

「ごめんねぇ、あたしたちも途中迷っちゃって、先生呼ぶの遅れちゃった。」

「いいよいいよ、どうせ最後まで大空が運んでくれたし。」

「なんでお前が言ってんだよ...。」

ま、いいけど、と言って、そのまま大空の背中に乗せられて医務室へ向かった。

「残念だけど、小西さんは病院に行って、お家で安静にしててもらうわ。親御さんに連絡するわね。」

ちーん。しょぼん。

まぁ、しょうがないよね。

不安要素の肝試しもでなくてよくなったし。

「しょぼくれんなよ。お大事にな。」

大空はそう言ってわしゃわしゃと雑に頭を撫でて、部屋を出ていった。
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