ソラは今日も喧嘩中
「あたし、これ話すの小学校以来こにちゃんが初めてなの。

中学にも友達はいたし、大切だったけれど、私にとってこの話はとても大切なことで、やっぱり話せなかった。」

普通に両親が公務員な私には、感じたことのないような悩みだったが、桜は桜なりに大変だったのだ。

「でもね、こにちゃんには話そうと思えたの。これって凄いと思わない?」

隣で頷く咲子と、様子を見てリビングを後にする桜ママ。

「友達と離れるってわかっていても高校もこっち来て、それなのにクラスの中心にいて。私、こにちゃんって凄いと思う。」

何でもできる桜にこんな事を言われてはむず痒いし、私はそんな大層な人間ではない。

「こにちゃんにはこにちゃんの良さがあるの。だから、私とも咲子とも大空とも比べなくていいんだよ。」

そう言われた途端、頬を伝った一滴の涙。

桜が私に秘密を打ち明けてくれたこと、こんな私のいい所を見つけてくれたこと。

嬉しくて、嬉しくて。

すると後ろから、ぎゅっと抱き締められた。

「あたしも、こにちゃんだぁい好き。」

ふわりと優しい香りがして、優しい声でそう囁いたのは咲子だった。

「二人とも、ありがとう。」

そう言うと、二人もつられて涙を流していた。
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