ソラは今日も喧嘩中
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「やっっっちまったああああああ〜!」

部活帰り、太一にすがりついていた。

「なにした。」

落ち着いた低い声で慰めてくれるような口調は、逆に涙を誘った。

「キス....した...。」

「....付き合ってんの?」

首を横に振る。

はあ、とため息をついた後、俺の頭を軽くぽんぽんと叩く太一。

一連の事情を話すと、うーん、とうなる。

「それはさあ、もう、告白しろよ。」

俺は思わず目を真ん丸に見開いた。

「無理無理無理無理!」

「実際、片岡?ってやつは、告白したから今の現状を手に入れたわけだろ?

何もしないで上手くいくだなんて虫のいい話はないぞ。

ましてや相手はこにちゃん...。」

そうなのだ、ましてや相手はこにちゃん。

あいつが言わずして気づくわけがない。

でも、あそこまで言って、キスまでして、気づかないほどアホなのか?

気づかれていたら、それもそれで困るが、あれほどわかりやすい行動で気づかれなかったら、もはや俺は一生恋愛対象に入れてもらえない気がする。

「うわぁ、どっちにしても俺最悪。」

「だな。」

優しいが、無責任なことは言わない。

そんな太一の相槌は、今の俺には辛すぎた。
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