ソラは今日も喧嘩中
教室から出るに出れなくなり、というより、大空と顔あわせたくない....

放課後になり、外から野球部の掛け声が聞こえてくる頃、やっと私はその教室を出た。

自分の教室に帰ると、桜と咲子が待っていた。

二人を見るなり、涙が次から次へと流れ出した。

二人はもう全て知っているかのように、私に歩み寄ってきた。

ふわりと、桜のいい香りが私を包み込んだ。

「全部、大空に聞いた。私の家、行かない?」

桜の優しい言葉に、コクリと頷く。

咲子は三人分のカバンを持って、私の頭を優しく撫でた。

これは、行こうのサインかな。

まだ出会って数カ月なのに、二人とはもう本当に昔からいたかのような安心感があった。

なにか話そうと頑張らなくていい、無言でも一緒にいたい二人。

そんな二人に挟まれて、桜の家に向かった。
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