ソラは今日も喧嘩中
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「優馬さん...」

寝言でまでお兄ちゃんのこと呼んでる。

桜ったら...。

私、知ってるよ、桜の気持ち。

少しのどが渇いたので、水を飲みに下に降りると、

「あれ、お兄ちゃん、おかえり、帰ってたんだ。」

「ただいま。

友達が飲み始めちゃって、俺はそういうの...ちょっと、な。」

知ってるよ、優しくて、真面目。

そういうことは、絶対にできない人だもんね。

私の大好きなお兄ちゃん。

お兄ちゃんが私に言ってくれる“大好き”とは、違う“大好き”って気持ち。

みんなにはふざけて、ただの兄弟愛にしか見えないようにしている。

兄弟ってだけで、毎日一緒にいれるんだから、私はそれでもう満足。

本当の意味は伝えられなくても、大好きもいっぱい言えるから。

それに

「もっと早く帰ってきてれば桜とご飯食べられたのに。」

ミネラルウォーターを飲んでいたお兄ちゃんは、明らかにむせ返った。

「...え。今日、来てたのか。」

「うん、こにちゃんも一緒に。

今日は泊まっていくよ。」

「そっか。うん、そっか。」

あからさまに嬉しそうなお兄ちゃん。

わかってるよ、桜のこと、大好きだもんね。
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