千代に八千代に君に


好きだったのだ。

その背も。

その人が恋した、私の親友も。

大好きだった。



傍から見れば、私は2人の恋路を阻む邪魔者で。

私も、その幸せを崩すなんて、愚かな事はしたくなかった。


でも、私だって辛かった。

笑い合う顔を見るたびに。

幸せそうな顔を見るたびに。

私の心は引き裂かれそうだった。

苦しくて、苦しくて。

私は、この気持ちを捨てた。

二人の幸せのために、正しい道を歩むのだと、自分に言い聞かせ。

私は泣いた。

泣いて、泣いて。

2人のから逃げたした。



それから、風の噂で2人が結婚したと聞いた。

沢山の子にも恵まれ、幸せにくらしていると。


そして、私は確信した。

私の選択は、間違っていなかった。

私は正しい道を歩んだのだと。

けれども私は、もう恋はしない。

私に恋は、出来ない。



まだ、彼のことが好きだから。




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