午後5時17分の彼女~boy's side~
午後5時17分の彼女~boy's side~




「そーうた!おはよっ」


上履きに履き替えている僕に、慎(しん)は体当たりしてくる。


「危ないだろ!慎」


「わりい奏多。もうすぐチャイム鳴るから早く行こうぜ」

「おう」

慎を追いかけているときふと、ろうかの窓の外に目がいった。

相変わらずの雨。



梅雨の時期は、じめじめしていて嫌になる。


もう僕がこの学校にきて2ヶ月になるのか。







中学まで東京に住んでいた僕は、親が離婚して母親と共に母親の故郷である京都の田舎に引っ越した。



不安だったが、学校には意外とすぐに馴染んだ。


しかし学校生活は順調だったが、離婚してから働き始めた母は体調を崩すことが多くなった。


そして母は僕にいつも言う。



"離婚してごめんね"
"つらい思いさせてごめんね" と。


そう言う母の顔が悲しそうで、
僕はいつもつらくなるんだ。

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