学校の七不思議~逃ゲラレナイ恐怖~
「開けるぞ?」
皆が、それに頷いたと同時に、健都は目をギュッと瞑り、音楽室の扉をバァンと開けた。
開け放たれた音楽室から、ピアノの音が更に聞こえて来る。
音楽室は真っ暗だったけど、ピアノの椅子には誰も座っていない。
なのに、閉まっている筈のピアノの蓋が開いている。
それに…
「い、いやぁっ!!」
綾が呻き声をあげて、蒼空くんにしがみついた。
「綾、どうかしたのか?!」
蒼空くんがあたふたしながら聞くと、綾は半泣きの声でこう言った。
「ピ、ピアノの鍵盤…… 動いてる」
「えっ!?」
びっくりしながら、恐る恐るピアノの鍵盤を見ると、確かに鍵盤が、音がする度に動いていた。