学校の七不思議~逃ゲラレナイ恐怖~
「花菜っ、花菜!!」
結愛が花菜に向かって懸命に叫ぶと、突然ピアノの音がピタリと止んだ。
花菜は立ち上がり、生きているとは思えない位色のない瞳で、あたし達をジトリと見つめた。
睨んでいるようにも見える。
『…邪魔をしないで。
私、今までずっと悲しかった。
せっかくピアノが上手くても、誰にも聞いて貰えない。
私よりも上手くもない人が、皆に褒められて、ずっとずっと、憎かったの。
でも、カラダさえ手に入れば、皆に見て貰える。
私は、一流のピアニストになれるの。
私の夢が、後少しで叶う…
だから...だから、邪魔しないで、ここから出てって!!』
少し掠れた声で、花菜は鬼の形相をしてそう言った。