学校の七不思議~逃ゲラレナイ恐怖~
花菜はそう言うと、また再び椅子に座り、鍵盤に指を置き、ピアノを弾き始めた。
「……あのさ」
綾の声で、ピアノの音は再び止んだ。
「1曲、弾いてみてくれない?
あたし、あなたのピアノが聞きたい!」
綾が笑顔で花菜にそう言った。
「おい綾、何呑気な事言って……」
小声で言う蒼空くんを、綾が「しーっ!」と言って遮った。
それと同時に、花菜はゆっくりと鍵盤に指を踊らせ始めた。
この曲は…………ショパンだ。
それにしても、【猫踏んじゃった】すら弾けない花菜が、こうしてスラスラとショパンを弾いているなんて、変な感じだ。
この魂の人……… 本当に、ピアノが好きだったんだな。