学校の七不思議~逃ゲラレナイ恐怖~


放課後、1人で帰り支度をしていると


「愛」


と名前を呼ばれ、振り返ると、そこには真剣な表情をしたテルがいた。


目を反らす事なく、あたしを見つめているその瞳は、まるで何かを強く決意しているみたいだった。


「テル、ど、どうしたの?」


恐る恐る聞くと、テルは低い声ではっきりとした口調で


「話がある」


とだけ言った。


あたしが頷くと、突然テルはあたしの右手首を強く握り、あたしの腕を引き、どこかに連れて行かれた。


…連れて来られたのは、屋上だった。


テルは屋上の端っこまであたしを連れて来ると、あたしの手首を離した。


「話って、何…?」


本当は、聞くのが怖かった。


でも、聞かなければ、何も始まらない。

















< 6 / 63 >

この作品をシェア

pagetop