学校の七不思議~逃ゲラレナイ恐怖~
放課後、1人で帰り支度をしていると
「愛」
と名前を呼ばれ、振り返ると、そこには真剣な表情をしたテルがいた。
目を反らす事なく、あたしを見つめているその瞳は、まるで何かを強く決意しているみたいだった。
「テル、ど、どうしたの?」
恐る恐る聞くと、テルは低い声ではっきりとした口調で
「話がある」
とだけ言った。
あたしが頷くと、突然テルはあたしの右手首を強く握り、あたしの腕を引き、どこかに連れて行かれた。
…連れて来られたのは、屋上だった。
テルは屋上の端っこまであたしを連れて来ると、あたしの手首を離した。
「話って、何…?」
本当は、聞くのが怖かった。
でも、聞かなければ、何も始まらない。