♡放課後みすてりあすいーつ!♡
「なーんだ、学部は違うけど、あたし達と同い年じゃん。姫宮さん、タメ口でOKだよ!」
「お、おおきに。美色ちゃん……ほんなら、うちの事も綺鳴って呼んでええよ」
私と美色が所属してるのは文系学部、綺鳴は理系学部。
グラウンドを挟んで向こう側の校舎だし、学年が一緒でも行事とかで一緒になることはないし、部活以外で関わることがないから、知らなくて当たり前だ。
よく見ると、私と美色が薄いブルーのネクタイなのに対して、綺鳴は淡い緑のネクタイ。理系学部の制服だ。
「うちの友達が文系学部におるから、二人のことも知ったんよ。ほんで、二人に相談したいのは、うちの弟の事なんやけど……」
一旦話をここで区切り、綺鳴は胸ポケットから一枚の写真を取り出して机の上に置き、私達に見せた。
それを覗き込む私と美色。
写っていたのは、美少年の胸から上までの姿だった。
「これがうちの弟、姫宮 燕(ひめみや つばめ)。高等科文系学部一年二組、園芸部に所属しとるんよ」
「へー、結構美形だね。中性的っていうの?なんか、イケメンっていうか美人って感じ!」
興奮気味に美色が言う。
ちなみに、美色は男だろうと女だろうと、美形に目がない。
「だね。肌綺麗だし、目も大きいし、華奢な感じだし、コスプレとか似合いそう!」
写真に映る燕くんは、肩まで伸ばした髪がサラサラで、パッと見女の子にも見えるくらいの美人だった。