♡放課後みすてりあすいーつ!♡
芸術は爆発だ!
「え?!」
その声が大きくて、美術部員にも聞こえてしまった。
「え、何?谷先輩でしょ?」
「まだなんか言うの?帰りたいんだけど」
グダグダな疲れた声が聞こえてくる。
「うっせーよ!良いから黙って聞け!」
野良犬みたいに吠えて無理矢理黙らせてから、涼村くんは話し始めた。
「結論から言わせてもらう。越水部長の絵は、燃えてない」
「は?!」
今までしょんぼりしてた典美が食って掛かる。
「何言ってるのよ?!部長の絵は……あの通り燃えてるじゃない!」
「なんであの絵が部長のだって分かるんだよ?黒焦げだろ」
「え?」
もう一度全員が黒焦げの物体を見る。
確かに額縁に入ってる絵が燃えてるのは分かったけど、『これが越水 晏鶴が描いた絵である証拠は?』なんて聞かれたら、誰も答えられない。
「それに、おかしい点はまだある。この会場はぐるっと一周するような形になってる。谷先輩は他の美術部員とはぐれて、遅れて俺達と合流して歩いてたんだ。庄戸が火事を知らせに来た時は、俺達相談部+谷先輩が会場内に、美術部員達が周り終わって会場の外にいたはずだ。火をつけてたんなら、相談部か美術部員が気がついてるよ」
「あ……」