♡放課後みすてりあすいーつ!♡

「津山先輩、失礼します!」

ハッとした典美がひったくるように津山先輩の鞄をとって中身を見せた。

これは……

「どー見てもあたしちゃんの絵だね。平筆の使い方とか絵の具のメーカー、完璧に同じ。さっき見た時は照明のせいで違く見えんのかなって思ってたけど、これ間違いなくあたしちゃんの絵だ。ほら」

絵の裏側を見せると、『ANZU KOSHIMIZU』とサインが書かれていた。

越水部長が表を見せると、ギロチン台が描かれた不思議な絵。

心做しか、さっき見た時より引き込まれる魅力がある気がする。

こんな独特な世界観を考え出せる人、そうそういない。

涼村くんの推理は、当たってたんだ……

津山先輩は足元を睨んで、拳を震わせると、

「そ、それもこれも、部長が盗作してんのが悪ぃだろ!そ、そうだ、こいつ、盗作してんよ!」

と言ってビシッと人差し指を突き立てた。

え?盗作?

「調べてみろよ!今までの展覧会やコンクール!全部俺のが先に投稿してんだかんな!!」

そう言えば、さっき越水部長が言ってた『そっくりそのまま作品が戻ってくる』話。

同じ作品が二回も届いたら、受付の人も怪しんで突き返しちゃうよね。

今度は皆の視線が越水部長に向く。

けど、彼女はそんな視線をものともせずに堂々とした出で立ち。

「逆だろうが」

部長の声が今までと正反対にガラリと変わる。

ピンと伸ばした人差し指の長い爪が、津山先輩の鼻先を軽く引っ掻く。
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