♡放課後みすてりあすいーつ!♡

園芸部の活動中なのか、学校指定のジャージの上に赤いエプロンを着ていて、土が付いた軍手をはめた手でピースをしている。

少し、笑った顔が綺鳴に似てる。姉弟だから当たり前か。

「せやろ?!自慢の弟やねん!」

綺鳴が突然、興奮気味に机に身を乗り出した。

「……っと、失礼。つい興奮してもうたわ」

照れながら姿勢を正す綺鳴。

きっと、それほど燕くんの事が大切なんだ。

燕くんを思う綺鳴の気持ちが伝わってくる。

姫宮姉弟の仲の良さが分かった。

「それで?この燕くんがどうしたの?」

「そう、最近おかしいんよ、あいつ!」

眉をハの字にして、本当に困ったような顔をする綺鳴。

「食欲が無いみたいでよくご飯残すし、いつも家では家族と一緒に過ごすのに、ここのところは部屋に篭もりっきりやし……それと、うちの部屋は壁挟んで燕の隣やねんけど、時々泣き声が聞こえるんよ」

「えー……それヤバいな」

思わず口元に手を当てる私。

虐めかな?それとも鬱?こんな依頼は初めてで、前例が無いから予想のしようがない。

「写真見る限り、そんな感じには見えないけどねぇ」

もう一度写真を見るけど、元気で優しそうな感じ。
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