♡放課後みすてりあすいーつ!♡

バァンと机を叩いて怒りを顕にする珀成を、すかさず綺鳴が腹パンして大人しくさせる。

飼い犬を厳しく躾ける飼い主のような寸劇に目を白黒させてる玉木くんに、あたしはお詫びとして飴の入った籠をすっと差し出した。

「し、失礼は承知してるのであります……ですが、本当に手がかりが極少でして……」

「どーいう事だよ?!イタズラなら追い出すからな?!」

「ひぇっ、それはご勘弁を……ま、まずは話を聞いて欲しいであります!」

「ァんだと……いや、なんでもねぇ……」

綺鳴の怒気が篭った拳に怖気づき、珀成は大人しく席についた。

それにしても、今日の珀成はなんだか野良犬感が強いな。

時音がいないから気が立ってるのかな?

自分を落ち着かせるようにソーダ味の飴を口に放ってから、玉木くんは語り出した。

「あれは……去年の運動会の時でありました。その時小生は騎馬戦の騎手を務めており……」

語尾にやたらありますが付くのと、難しい熟語を使う妙な口調のせいでやたら話長いから、まとめると。


①当時の玉木くんは騎馬戦に騎手として参加していた。

②騎馬戦をしてる時に、救護テントの前で自分の騎馬を含めた数組が倒れてしまった。

③テントの中にいた人達を含めて選手はもみくちゃになってしまった。

④幸い怪我人は少人数で済んだけど、玉木くんは倒れた時に……

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