♡放課後みすてりあすいーつ!♡
「いや、もっと控えめな……あんこみたいな感じでありました」
「あんこ?!」
なんで?!
運動会で餡子って……どういう事?
ガラッ
「こんにちは。呼ばれてはいたが飛び出てはいない、仁衣菜(にいな)、ただいま到着致しました」
「あっ、ニーナちゃん!待ってたよ~」
「お待たせさせてしまいすみません、マナくん。仁衣菜は三年後の流行語大賞を考えていて出遅れてしました。ちなみに『うどん』だと思います」
開いたドアの前には、プリントとファイルの束を抱えた女の子が立ってた。
さっき真輝が電話してた相手みたいだ。
スカートの裾を膝が隠れるくらい長くしてて、長い髪をふんわりとウェーブにしてる。
なんだかメイドを思わせる可愛い子。だけどどこか表情が固く、言葉選びもすごい独特……
そんな彼女は丁寧にペコっと頭を下げた。
「ほうほうあなた達が相談部の方々ですか?お初にお目にかかります。理系学部一年五組で保健委員会の旗本 仁依奈(はたもと にいな)でございます。お願いされた資料、うどんの出前の如く、新鮮なものをお持ちしましたよ」
仁依奈ちゃんは抱えてたプリントを机の上に置いた。
『××年度運動会:救護テント利用者名簿』と一番上に書かれてる。
中には名前が並んで乗ってるみたい。
「助太刀感謝致しますであります!」
あたしが手を伸ばすより先に、玉木くんがプリントに目を通し始めた。