♡放課後みすてりあすいーつ!♡
「え、なんで今?!さっきまで大丈夫だったじゃない!?」
「な、なんででしょう……?」
一回意識するとダメなタイプらしい。
玉木くんは赤面したまま、あたしに近寄れなくなってしまった。
「……」
ふと、時間が止まったように動かない綺鳴が目に入った。
「どしたのキナリん?何か分かったの?」
「……いーや、なーんも分からへんわ。ミィちゃん、一旦部室戻らへん?」
明らかに作ったような笑顔で、綺鳴はパタンと冊子を閉じた。
「え、帰っちゃうすか?なにか見つかったんですか?ゆっくりしてって大丈夫っすよ?」
「マナくん、カタツムリと象の歩くスピードが異なるように、写真部と相談部も自分の速度があるのです。お仕事なら尚更」
「けど……片付けも終わってないんだけど!?」
「それは仁衣菜も手伝いますから、早くやってしまいましょう。二人なら秒です。ラブの力は最強です」
「……つまり?」
「せっかくここに来たので、マナくんとイチャつく時間が欲しいです。察して欲しみ」
「ニーナちゃん!!!」
なんだなんだ、帰るって言った途端イチャつき出したぞこのカップル……
完全に自分たちの世界に入った二人をしり目に、あたし達はお礼を言いつつ部室に戻った。
「どうしたの急に?何か分かったの?」
「あ、ミィちゃん。燕が用があるー言うてたで。教室で待っとるって」
あたしの質問を完全スルーして、綺鳴はまた急な事を言い出した。
「え、燕くんが?」
「そ。急ぎらしいから早う行ってあげてくれへん?」
「マジ?前やった弥彦くんの件で何かあったのかな。分かった、行ってくるね」