♡放課後みすてりあすいーつ!♡
この宝石みたいなものを丸かじりするのか。
パチクリと瞬きしてから、大きく口を開けてかぶりついた。
「美味しい……!」
初めて食べたそれは、痺れるような甘さが口の中を刺激するが、涙でしょっぱくなった口には丁度いい美味しさだった。
「へへっ、やっと笑ったな!」
少年は白い歯を見せ、祭提灯どころか太陽にも負けない笑顔を見せた。
暗い神社だが、彼が周りを照らしてるようだ。
少年はパシッと少女の手を取り、グイッと引っ張った。
「なぁ、こっち来いよ!一緒に回ろーぜ!俺、すっげー良い場所知ってんだ!」
その時から。
その時から、来栖 時音は甘い物と彼の虜になった。