♡放課後みすてりあすいーつ!♡

「ぜってー見つけて、また会って、そんで……嫁さんにしてやるから!」

「……ほんと……?お嫁さんにしてくれる?」

少女が擦った顔を上げると、少年の幼くも真剣な顔があった。

「あぁ、約束する!はい、ちかいのゆびきり!」

子供の約束なんて、三日も経てば自然消滅してしまうもの。

だけどどういう訳だか、彼は本当に叶えてくれそうな気がする。

祭りの晩、少年の小指と少女の小指が、小さな愛を誓った。

「「ゆーびきーりげーんまーん!」」


















夏祭りが終わると、とても静かになった。

元々田んぼと畑と海と家と人と犬と猫と鶏と魚と狸とよく分からない名前の絶滅危惧種の動物くらいしかない田舎だから、もう蛙の鳴き声と波の音くらいしか聞こえない。

蛙の鳴き声なんかより、波の音の方が綺麗だ。
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