♡放課後みすてりあすいーつ!♡
飼い始めたばかりのハムスターみたいに隅の方で縮こまって震えてるから気が付かなかった。
二人は入部したてで綺鳴の家の事知らないから、あたし達以上にダメージがあるらしい。
「まぁ、全員揃ったし、そろそろ行こか。暗号はフライトの最中にでも解こ。ほんなら皆、三十分後くらいに離陸出来るよう準備の方頼むわ」
綺鳴がパンパンと手を叩くと、使用人の人達全員が背筋を伸ばした。
「「「「畏まりました」」」」
ピッタリと揃った了承の言葉を言い終えると、すぐにテキパキとセレブ空間を片付けていく。
たった二回の拍手で動かせるなんて、やっぱ全然見えないけどお嬢様なんだなぁと思い知らされた。
☆
「うわぁ……」
飛行機には数回しか乗った事無いけど、綺鳴のとこの飛行機が普通ではない事くらい分かる。
本当に飛行機?って思えるくらい、広い。
椅子の一つ一つが新品同様で綺麗だし、全部の席にふかふかのクッションまで置かれてる。