♡放課後みすてりあすいーつ!♡

スーツ姿の男性二人が搭乗してきた。

一人は四、五十代くらいの顎鬚を生やしたおじさん。

もう一人は三十代くらいに見えるけど、子供っぽい茶目っ気がある人。

「あれ?あたし達の他にも誰か乗るの?」

「せや。流石に大人一人付きそう言うても、危ないかもしれへんしなァ。ちぃと警察の人二人借りてきたわ」

隣のクラスに教科書借りに行くノリで言わないでよ……

「紹介するわ。T県警の警部さんの須永(すなが)さんと、同じく刑事の榊(さかき)さん」

綺鳴の説明に須永と呼ばれた警部さんが眉を下げた。

「お嬢様、そのような紹介をされると、こちらの立場が軽く見られそうなんですが……あー、まぁ良いか。俺は須永 庄太郎(すなが しょうたろう)。事情は聞いたよ。一緒に捜査をするのは構わんが、何かあったらすぐに俺に言うように」

厳しそうな印象のコワモテおじさんだけど、根は優しいみたい。

ただの高校生四人が事件に首どころか全身突っ込もうとしてるのに、全然怒らない。

ちょっとお父さんっぽい人だ。

「榊 颯馬(さかき そうま)でっす!年は三十五!妻子持ちだけど心は永遠の二十歳☆」

え、妻子持ちでこのテンション?

奥さんが直してくれてるであろうワイシャツはなんかよれてるし、ヘラヘラした表情は警察手帳見せなきゃ警察だって絶対分かんない。

なんだかびっくり箱を擬人化させたような人。
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