♡放課後みすてりあすいーつ!♡

「そんなに爪噛むと、血ぃでちゃうよ」

「あ……」

いけないいけない。

いつのまにかイライラして親指の爪を噛んでた。

「大丈夫、見つかるから」

見つかる?見つけるじゃなくて?

「俺に任せて」

低い声でボソッと言うと、榊さんは片目を閉じて人差し指を唇に当てるポーズをとった。

「……榊さんは、何の事件であの島に向かうんですか?」

「んー、それは企業秘密。ま、焦ったってすぐ島に着くわけじゃないし、今はゆっくりしててもバチ当たんないと思うよー?ほら、これでも飲んでちょっと寝たら?」

缶のココアを手渡されてから、ポンポンと子供扱いするように頭を撫でられた。

……ちび扱いは悔しいけど、榊さんの言う通りだ。

皆冷静なのにあたし一人バタバタしてても仕方ない。

「……」

ココアを一口飲んでから、あたしはまぶたを休ませた。














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