♡放課後みすてりあすいーつ!♡
美色が好きそうな、甘くて上品な匂い……
ほぁ〜、なんかこれだけでも癒される〜……
「つーばーめー!」
とろけそうな気分に浸っていたのに、ぶち破られた。
突然、園芸部部室に響き渡る大声が外から聞こえたから。
そこにいた全員が、声の方を振り返る。
窓の外を見ると、バスケットボールを小脇に抱えた体操着姿の男の子が、燕くんに向かってブンブンと手を振っていた。
「え?弥彦くん?」
大きな目を更に大きくして、燕くんが声の主に呼びかける。
あぁ、この子が燕くんの親友の畠山 弥彦くんか。
見た目に違わず、バスケ部らしいバランスの良い筋肉のついた身体に、ほんのりと日焼けした肌。
綺鳴の言う通り、確かに『男前』だ。
全体的に、燕くんとは正反対の見た目をもつ彼は、わくわくしたような顔で窓を叩いている。
燕くんと話がしたいらしい。
「急にどうしたの?部活は?」
「今は休憩中~。燕は何してんの?」
「見ての通り、僕も園芸部の活動だよ。ごめんね、皆さんの作業の邪魔になっちゃうから、また後にしてくれる?」
「うぃ~」