♡放課後みすてりあすいーつ!♡
部屋に行くだけなのに、膝がガクガクになるなんて……
姫宮邸、恐るべし。
「早速、燕くんの件に入るけど」
意外と普通より少しだけ広いサイズの綺鳴の部屋で、作戦会議が始まった。
「あ、燕は今隣の部屋におるから、小声でな」
綺鳴が人差し指を唇に当て、しーっと内緒の小声で言った。
私と美色はヒソヒソと小声で話す。
「もう一回、園芸部に潜入して見張る?」
「芙雨ちゃんに悪いよ。それに何回も見学として行くと、入部する気皆無なのバレちゃう」
「尾行……は、なんかまた撒かれそうな気がする」
「燕は変に勘が鋭いとこあるからなぁ。多分気づかれてたんやろ。今日は裏門からこっそり出たのかもしれへんし」
どうしようかな……
打つ手が無い……
「ちょっと一回、燕くんのプロフィールを整理しようか。そしたら、私達でも燕くんの行動パターンとか考えてる事分かるかも」
「おー、そらええなぁ。燕の事ならうちにまかして!」
私が手帳を取り出し、記憶力の良い美色は耳をそばだてる。