♡放課後みすてりあすいーつ!♡
「『姫宮 燕(ひめみや つばめ)くん。
姫宮 綺鳴(ひめみや きなり)の弟で、姫宮グループの跡取り予定。
園芸部所属。
バスケ部の畠山 弥彦(はたけやま やひこ)くんとは昔からの仲良し。
中性的な美人で、優しくて純粋。』……と、こんな感じ?」
「全部おうてるよ。でも、こんだけじゃ……」
『―――もしもし』
!
燕くんの声が壁越しに聞こえてきた。
私達三人は、ビタっと壁に張り付き、耳をすます。
盗み聞きなんて悪趣味だけど、これも仕事の内、綺鳴と燕くんの為だ。
『うん、うん……ごめんね、やっぱり……無理かも。いや、無理だ』
途切れ途切れに微かに声が聞こえてくる。
電話中みたい。
『やっぱり、皆僕に期待してるから、台無しにするわけには行かないし……だから……』
相手は誰だろ……
気になる。
期待?台無し?どういう事?
『ごめん、ごめんね……本当に……いや、だ、だって!……僕だって、こんな風になるつもりじゃなかったし……』
あれ、燕くん……泣いてる?
声がちょっと震えてる。