♡放課後みすてりあすいーつ!♡
☆
時は数分前に遡り、時音と美色と綺鳴が盗み聞きをした直後、美色が何か分かった時。
「え?燕くんが弥彦くんに恋してる!?」
「うん」
「えっ……でも、二人共男の子だよ?」
「だからだよ。燕くんは姫宮グループの跡取り予定でしょ?」
あ……
そう考えると、ちょっと話が見えてきたかも。
「つまり、グループを続ける為にお嫁さんを貰って、子供を作って、またその子供を跡取りにする為に、女性と結婚しなくちゃいけない立場」
美色が推理を続ける。
「なるほど、それなのに好きになっちゃったのが同性で、それで悩んでたって感じ?」
あの燕くんなら充分に考えられるかも。
中性的な美人だったし、自分と対照的なバスケ部の弥彦くんに惹かれたんだろうね。
「多分、真面目で優しい燕くんの事だから、お家の事を考えるのと自分の恋愛の事で板挟みになって、精神的に不安定だったんじゃないかな?」