♡放課後みすてりあすいーつ!♡
……そうか。
綺鳴の言葉で思い出した。
何かの本で読んだことがある。
恋はするものではなく、落ちるものと。
元々落ちてしまう運命だったんだ。
それを無理やり元の高い場所に戻すのは難しい。
どうせなら、とことん落ちてしまおう。
彼―――弥彦と一緒に、深く深くまで。
「燕、弥彦くんって、そないにかっこ悪い男か?」
「ち、違う!!弥彦くんは、強くて、かっこよくて、優しくて……僕に無いものを全部持ってる、大切な人だよ!!」
「せやろな。燕が好きになった人やもん」
綺鳴は燕の頭を撫でつつ、強い口調で喝を入れた。
「本気で好きなら、死ぬ気で添い遂げな。周りの目を理由に別れたら、絶対後悔するえ!」
「うん……ありがとう」
「姉様は、ずっと燕の味方や。応援しとるえ。明日、弥彦くんとよう話し合っとき」
「うん……うん」
やっと、全てから解放された。
全身に巻きついてた鎖が解けたように、身体が軽い。
良いんだ、大丈夫なんだ。
この恋は決して間違ってはいない。
嬉しさでぽろぽろと涙が零れる。