♡放課後みすてりあすいーつ!♡
理系学部所属の綺鳴がいてくれれば、捜査の幅も広がる。
そんなにかしこまる必要ないのに……
「なんや、この辺じゃ有名な情報屋コンビに仲間入りしたいーなんて言うたら、難しい試験とか出されると思うてたのに」
気ぃ抜けるわー、と言いつつおかわりの苺タルトをフォークで突き刺す綺鳴。
いや、私達の事なんだと思ってるの……?
趣味でやってるようなものだから、そんなに真面目に考えなくても良いのに。
「それなら、あだ名考えないとね!」
美色が唐突に言い出した。
「あだ名?『タイム』、『ミィ』みたいな?それ恒例行事なん?」
「違うけど、相談部の中で綺鳴だけってのも仲間外れみたいかなって。何が良い?」
「うち、特にあだ名とか無いねんけど……二人決めてええよ」
「それなら……『キナリん』はどう?」
私が提案する。
「いや、綺鳴ってさ、『綺麗に鳴る』って書く綺麗な名前だから、私は原型残したいんだよね」
私の名前、『時音(ときね)』は発音がカッチリした感じだから、『美色(みいろ)』とか『綺鳴(きなり)』みたいな柔らかい発音の名前が羨ましい。
だから、発音はほぼ変わらないようにしたいんだけど……
「キナリんなぁ……ふふ、なんや、友達みたいで嬉しいわぁ」