♡放課後みすてりあすいーつ!♡
「……ただいま」
部室の中に戻ると、美色と綺鳴が心配そうに私を迎えた。
「おかえりー……タイム、大丈夫?」
「あー、大丈夫だよミィ。適当になだめて全員帰ってもらった」
「いや、お客さんじゃなくて、タイム自身の方。ボロボロだよ?」
え゛。
手鏡を見ると、いつもはストレートにしてる髪がぐしゃぐしゃになっていた。
綿ぼこりみたい。
皆、押しつぶす勢いで殺到してきたからな……
「はい、タイムちゃん、こん櫛使うて」
「あ、キナリんありがと」
綺鳴から受け取った櫛で髪を整える。
よし、これでいつも通り。
「それにしても、なんであんなにお客はん来はったんやろ。皆必死な顔しとったし」
不思議そうな顔をする綺鳴に、美色が驚く。
「あれ?キナリん知らないの?『財布泥棒』の話……あぁ、そっか。キナリんは理系学部所属だから、あたし達文系学部の話はすぐに回ってこないんだね」
「これから先、その依頼が続くと思うから、キナリんにも説明するよ。財布泥棒っていうのは―――」
何も知らない綺鳴にも分かりやすく説明する。