♡放課後みすてりあすいーつ!♡

「もう最初に聞いちゃうけど、謝礼のお菓子は何?」

「レモンパイにするつもりだけど。姉貴が大学の料理サークル入ってて、得意料理だから作ってもらう予定」

「レモンパイ!?」

私の大好物だ!

しかも手作り?!

こ、これは絶対に解決しなければ……!

「な、何、お前……」

「あ……」

いけないいけない。

興奮して身を乗り出してしまった。

気を取り直してっと。

「コホン、それで、涼村くん自身は、犯人の目星はついてたりするの?」

「そうだ!!俺見たんだよ、財布泥棒!!」

「ほ、本当に?!」

「あぁ、嘘じゃねぇ。なのに、皆俺の普段の行いが悪いからとか言って、誰も信じちゃくれねーんだ」

人を見た目で判断しちゃ悪いけど、そのなりじゃ信じろっていう方が無理だよ。

「だから、お前らに頼んでやったんだ。喜べよ。俺だけじゃなく、お前らにも賞賛の声が降りかかるからな!」

獣のようなよく響く声で、涼村くんは高らかに笑った。

何この俺様発言……。

めんどくさいな。
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