♡放課後みすてりあすいーつ!♡
着いた場所は、壁に落書きがされてる古そうな小屋。
「涼村が鞄置いてたのは、こっちの物置小屋だよ」
渡辺くんがドアノブを回して、小屋の中を見せた。
「……うっわぁ……」
反射的に口元を手で抑えた。
なんというか、汚い。
さすが男子ばかりの部活。
脱いだユニフォームやらスパイクやらサッカーボールがそこら辺に雑に置かれてる。
一応足の踏み場はかろうじてあるけど、入りたくない……
「あー、そこだ。俺が鞄置いてた場所」
入り口から入って左側の、窓がある壁にある棚。
涼村くんはそこの二段目を指さした。
「盗られた所は、誰も見てへんの?」
綺鳴が聞く。
「あぁ。財布泥棒が財布盗って逃げた所なら、俺と涼村がそこの窓から見てたんだけどな」
渡辺くんが窓を開けた。
サッカー部の部室はグラウンドの隅にあるから、体育館に続くプロムナードがフェンス越しに見える。
「どっち方面に逃げてったの?こっち?」
美色が体育館とは反対方向の校門側を指さす。