♡放課後みすてりあすいーつ!♡
他校の学ラン着た男子なら、目立っちゃうからすぐ校外に出るだろうからね。
けど……
「いや、逆。こっち」
涼村くんが指したのは、体育館側だった。
「え?じゃ、その時体育館にいた人を探せば良いんじゃないの?」
渡辺くんなんて、サッカー部のエースなんだから走れば追いついたんじゃない?
「いなかったんだよ。その日、体育館には女子しかいなかった」
「女子バトミントン部と、チアリーディング部と、新体操部だけだったよ。もちろん、部員は全員女の子」
えぇー……
じゃぁ、財布泥棒は消えたって事?
こりゃ、レモンパイとムカついた勢いで受けちゃった依頼だけど、かなり難航しそうだぞ〜?
「……ふん」
考え込んでいると、馬鹿にしたような目と視線が合った。
もちろん、それは涼村くんの目。
無理なのか?やっぱ大したことなかったんだな……
そう言ってそうな目。
目は口ほどにものを言うわ。
これはやっぱり、何が何でも解決させないと……!!
「タイム?どしたの?……燃えてるよ?」
美色が心配そうに私の顔をのぞき込む。