♡放課後みすてりあすいーつ!♡

……しまった。

また対抗心の炎が……

一回咳払いして誤魔化し、冷静になってから渡辺くんに聞いた。

「そ、それで!その女の子達は財布泥棒見たか聞いた?」

「もちろん涼村が圧かける勢いで聞いたさ。でも誰も見てないって」

えー……

「そら、難しい問題やなぁ。財布泥棒は消えてもうたんやろか?」

やっぱり綺鳴の言う通りの結果になってしまう。

「消えられたら困るから、被害者全員を代表して俺様がお前らに頼んでやってんだろーが!!」

あれ。

俺様発言が一周回っただけかもしれないけど、ちゃんと他の人の事考えてるんだ。

……意外と良いとこあるじゃん。

……いやいや、やっぱり馬鹿だからただ俺様発言が一周回っただけだ!

きっとそうだ!うん!

こいつがそんなに良い奴な訳ない!!

「ねータイム、今日の捜査は終わりにしない?もうちょい目撃情報とか集めてからにしよーよ」

「まぁ、ミィの言う通りだね。空気を掴むような捜査してても、時間の無駄になるし……」
< 69 / 204 >

この作品をシェア

pagetop