♡放課後みすてりあすいーつ!♡

それにしても、口数が少ない大人しい子とは聞いてたけど、全然喋らないな。

「はい」「えぇ」「いいえ」くらいしか言ってない。

先生らしき女性と話してるのに、さっきから否定するように手を左右に振ったり、肯定するように首を縦に振ったり、身振り手振りで説明してる。

見た目の可愛さもあって、本当に人形が動いてるみたい。

「……ん?」

大人しいとはいえ、もっと喋っても良いんじゃないかな?

完全に人形だよ。

これじゃ、まるで……

「こらァ、君達!!」

背後からドスの聞いた声が迫ってきた。

さっきの松林先生の声だ。

私達はビクッと背中を震わせる。

「やっぱり君達、ここの学校の生徒じゃないよな?黒須なんて生徒、調べてもいなかったよ!」

背中を嫌な汗がダラダラと流れ出る。

や、ヤバい、逃げろーーーー!!!!

良いとは言えない運動神経を働かせ、私はその場を逃げ出した。

美色と綺鳴があとに続いて走り出す。
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