青い夏
やり始めて数分もたたないうちに「蒼斗くんすごーい」というマリナのかわいらしい声が、聞こえてきた。
的である景品に次々と弾をあてる蒼斗に対して、両隣のユウヤとマサトは全然当たっていない。
お店の若い人も困った顔をしている。
「あいつら、下手くそだなぁ」
ナオヤが本音を漏らした。
私は笑ってその場を取り繕った。
「マリナはまだ、蒼斗のこと好きなのかな?」
「さぁな。でも、あの様子じゃ、恋心、ぶり返してんじゃねぇか?」
だよね、と私は頷き、ラムネを喉に流し込んだ。
シュワシュワとした爽快な感覚が、全身に染み渡る。
ラムネを半分近くまで飲み干し、私はまた射的屋で楽しんでいる蒼斗とマリナに視線を向けた。
マリナは一向に、蒼斗の傍を離れる様子はなかった。
逆に、積極的にボディータッチを繰り返している。
彼女はとてもかわいく、ふわふわしていて、例えるならペルシャ猫の子猫だ。
剣道に勤しんでいる可愛げのない私なんかが太刀打ちできるような相手ではない。
昔からマリナは蒼斗に恋心を抱いていた。
遠足、お遊戯会、どんなときも一緒にいようとしていた。
見え見えだった。恋しているって。
恐らく、彼女にとって私は邪魔な存在だったんだろう。
私は彼女よりも蒼斗との付き合いが長いから。
だから、マリナは蒼斗が引っ越すことを教えてくれなかった。
男子3人も、マリナが私にそのことを伝える、あるいは知っているんだと、思い過ごしていたんだろう。
的である景品に次々と弾をあてる蒼斗に対して、両隣のユウヤとマサトは全然当たっていない。
お店の若い人も困った顔をしている。
「あいつら、下手くそだなぁ」
ナオヤが本音を漏らした。
私は笑ってその場を取り繕った。
「マリナはまだ、蒼斗のこと好きなのかな?」
「さぁな。でも、あの様子じゃ、恋心、ぶり返してんじゃねぇか?」
だよね、と私は頷き、ラムネを喉に流し込んだ。
シュワシュワとした爽快な感覚が、全身に染み渡る。
ラムネを半分近くまで飲み干し、私はまた射的屋で楽しんでいる蒼斗とマリナに視線を向けた。
マリナは一向に、蒼斗の傍を離れる様子はなかった。
逆に、積極的にボディータッチを繰り返している。
彼女はとてもかわいく、ふわふわしていて、例えるならペルシャ猫の子猫だ。
剣道に勤しんでいる可愛げのない私なんかが太刀打ちできるような相手ではない。
昔からマリナは蒼斗に恋心を抱いていた。
遠足、お遊戯会、どんなときも一緒にいようとしていた。
見え見えだった。恋しているって。
恐らく、彼女にとって私は邪魔な存在だったんだろう。
私は彼女よりも蒼斗との付き合いが長いから。
だから、マリナは蒼斗が引っ越すことを教えてくれなかった。
男子3人も、マリナが私にそのことを伝える、あるいは知っているんだと、思い過ごしていたんだろう。