陽の明かり
1
空一面、灰色で覆われ
私の歩む道を遮るように飛び交う虫達
そして草木は私の腕と脚を容赦なく叩く
どうも気分が晴れようにも、晴れることができないこの状況の中
強く、前へ前へと進んだ。
ここは、都市の中に不自然な円形状の森の中。
また私が来た道を二百メールほど戻れば、車がぶんぶんと怒鳴って走り回っているし、数十倍にも高いビルがたくさん建っている。
だけど、おかしなことに森の中へ入ればそんなことを忘れさせてくれる。
だからこんな気分が晴れないような状況の中でも、私はここが好きだと思える。
鬱陶しい虫達も愛らしく思える程にだ。
私がただ、それだけのために森に暇があれば入るのではなく…、
ある目的地を目指しているのだ。