陽の明かり
2
翌朝
朝ごはんを食べ、リュックに数個のお菓子と2本のペットボトルに入ったジュースを詰め込む。
「どこか行くのか?」
父は私を見て聞いてきた
「優香ちゃんと遊んでくる…。」
「また優香ちゃんと?仲良しね〜。」
母は、微笑んで言った。
本当なら恵未優って言いたい、仲良くて大切な恵未優を。
でも、まだ私からは話せなかった。
恵未優を…話すのはまだ先だとなぜか思っていた。
恵未優についてたくさん知れたら、言う。そんな思いが勝手に浮かんでいたからでもあった。
「ちゃんと、昼には帰ってくるんだぞ。」
父は新聞を読みながら言った。
「へ?昼?」
「当たり前だ。ご飯、食べないといかんだろう?」
「いいの!大丈夫。」
「ダメだ。」
「ゆ、優香ちゃんのお母さんがつくってくれるの」
「そんなの迷惑だろ。駄目だ、」
「そうよ、なら、優香ちゃんを家に呼んできなさい。ご馳走するから。」
お母さんまで、そんなことを言い出した。
「もう!わかったよ、昼には帰ってくる。」
そう言って、玄関に向かった。
「「いってらっしゃい。」」
リビングから両親の声が聞こえて、「いってきます。」と言い森へ向かった。