陽の明かり
ようやく震える肩がおさまると、「時間…あと10分だよ。」と恵未優は言うと私は腕時計を見た。
5時50分
「…っ!帰らなきゃ…」
「うん…、気をつけてね。」
「ありがとう!また明日ね!」
そう言うと、私は急いでドアを開ける。
「また明日。」
恵未優の声を背後に元来た道へ走り出した。
もう、辺りは暗くなり出していて道がよく見えなくなっていた。
特に目印のないこの草木だけの道は、正直よく行き来できてるなぁと私は感心する。
だけど、どこかには出れると信じて全速力で駆け出す。
鳥達の鳴き声に、風で揺れる葉は私を笑ってるように聞こえた。
その走る血相すごいよ、って。
そして、早く帰らなきゃお母さんが怒るよって。
耳に触れた音が自然の音から、車の音になる頃、ようやく森から出て走っていた。
もうすぐ、つく。
家が見えた頃、腕時計をチラりと見ると