陽の明かり
5時58分。
ガチャッ
玄関のドアを開けると、お母さんがリビングから出てきて
「おかえり。ギリギリね、どこに行ってたの?」
「間に合ったからいいじゃん…」
「そうじゃなくて、どこに行ってたの?」
「友達のとこ。」
「そう…。」
「それより、門限を7時にしてよー。」
「だめよ、これから冬になったらもっと早く暗くなるんだから!」
「大丈夫だよ…!」
「また不審者が出たらしいじゃない。
本当なら、もう遊びに行くのはよしなさいって言いたいわ。」
「んなのお母さんだけだよ!
学校…の子はみんな、夜遅くまで遊んでも大丈夫なんだよ?恵未優だって。」
「恵未優?あら、誰?」
恵未優は登校拒否をしているので、お母さんは知らない。
それに、不登校の子と遊んでたらお母さん、絶対「遊ぶな。」って言う。
それは、最低だと思うけど…お母さんは私に学校で友達がいなくなることを心配して言いそう。
まだ恵未優のことは言ってないからなんとも言えないし、ただの推測にすぎないけど私はそう思うんだ。
「…間違った、優香だよ。」
でも、やっぱり説明するのを避けてクラスメイトの優香にした。
優香は前までは仲良かった子、で…今日私を見て見ぬフリした子。
「えぇ?優香ちゃんママとは何度か話したけど…ねぇ?」
「ねぇ?ってなに。」
「門限とかしてそうだけど…まぁいいわ、お風呂に先に入ってらっしゃい。」
お母さんはまた、リビングに戻ってテレビを見出した。
私は小さなため息を吐くと、
お風呂場に向かった。