世界の中心でアイを叫んだのに【B L】
「すみません、ここ俺の家なんですけど…」
起きない。
いやいい加減起きてくれないと俺困るんだけど。
「起きてくださいよー…」
裾をつんつんしても、起きそうにない。
「起きろって、おい」
やべ、ちょっといらいらしてきた。
こっちは寒いんだよ。
さっさと風呂に入って寝たいんだよ。
明日も仕事だし。
「いい加減に____」
うつ伏せの和服を仰向けにする。
そして俺は、絶句した。
「ぅ、あ…」
やっぱり、コイツ幽霊だ。
だって、ここにいるはずがない。
あの人は、2年前に…
「…ッん、」
や、っば、起きる
こんなの無視して部屋はいればよかった。
幽霊とかシャレにならない。
「あ…わ、わっ」
あの人にとてもよく似た顔の人は、俺を見るなりおびえた顔をした。
「あの…」
「やめてください、連れていかないで…!
僕はもう、戻りたくなんか…」
「ちょっと、」
え、なに言ってるか分からないんだけど。