Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
口ごもる私に、言いたいことは分かってるよ。と優しい眼差しを浮かべた七倉さんは、
「実はね、教えてもらったんだ。伊織さんに」
「え?伊織さん?」
意外な人の名前。
頭の中に、背が高くて、スキンヘッドで、いつも私を見ると目を細めて話しかけてくれる、優しい伊織さんの顔が浮かんだ。
伊織さんと七倉さん。伊織さんと海。
どちらの組み合わせも意外すぎて、イメージがわかない。
難しい顔をして黙り込んだ私に、七倉さんが教えてくれた。
「まだ俺が事務所の研究生だった頃、伊織さんも同じ事務所の先輩として、一緒にレッスンを受けてたんだ。後輩思いの優しい人で、時々、ここにサーフィンに連れてきてもらった」