Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
ラバーズ13
-side nanakura-






雛子ちゃんが病室に来なくなって、ぽっかりと空いた穴は、日々大きくなって。



いつか俺の心、全部が消えてなくなりそうだった。



世界デビューのプロモーションを終え、一時帰国したメンバーが、久しぶりに見舞いにやって来た。



竜也は、雛子ちゃんのいない病室を見て、抜け殻みたいな俺に「それでいいのか?」と聞いた。



梨央は一言「馬鹿ね」と言った。



なにを言われても、ろくに反応しない俺に、帰りぎわ竜也が、



「次、来るときは、もう少しマシな目してろよ」



そう言った。







正直、彼女のいない世界が、こんなにも苦しいなんて思わなかった。



彼女がいなくなって、ただ元の生活に戻るだけだなんて、自分に言い聞かせてたけど、



雛子ちゃんのいない世界は、まるで色も音も消えたみたいに、虚無感が俺を支配した。











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