Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
「けどあいつは、簡単に崩れるほど弱くない。いいか、七倉。耳の穴、かっぽじいてよく聞け。俺の妹はな、お前が思ってる以上に逞しくて、強いんだ!」
マッシーさんの言葉に、心の中の穴がドクンと動いた。
力強いマッシーさんの眼差しに、俺の心を頑なに覆っていた何かがパリンと割れた。
「マッシーさん。お願いがあります」
無色だった世界が、ほのかに色を取り戻す。
力が戻った俺の目を見たマッシーさんは、
「なんでも言え」
自分の胸を叩いた。
君を好きになって、
一方的に傷つけて、
それでも俺には、君しかいないって知ったから。
我儘だって分かってるけど、
もっと君を傷つけることになるかもしれないけど、
それでも、もう一度、君を取り戻すために、
俺はまた、果てしなく高い場所を目ざして進むよ。
そこに雛子ちゃんが待ってるって、信じているから。