Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
不機嫌な女神(マッシー×梨央)
目の前の女神が、不愉快そうに顔を歪める。
「あの子、嫌い」
綺麗な形の唇で、そう吐き捨てたのは、Soul Loversの歌姫。神尾梨央。
女神が見つめる先にいるのは、幸せそうに微笑み合う七倉と、俺の妹。
「羨ましいのか、雛子が?」
そう聞くと、般若みたいに目をつり上げて、俺を睨む。
「私が、何であんな普通の子!」
「普通の女になりたいって、思ったんじゃねーのか?」
俺の質問に、戸惑うように目を反らす。
しばらく悩んだ後、梨央は渋々と言ったように語った。
「ずっとハルの側にいた。デビューする前から一緒だった。同じスタジオ。同じ先生のレッスンを受けて、オーディションでも一緒だった」