Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~



「おい、こんなとこで。誰かに見られたらヤバイだろ!」



「見られたってかまわないわ。ここは事務所の中。噂なんて、外に漏れるわけ無いでしょ?」



梨央はグロスをたっぷりと塗った唇で、艶やかに笑った。






ミーティングの後は、雑誌のインタビューに、次のドームツアーのリハーサル。



その日のスケジュールを終えて、都内にある自分のマンションに戻る。



シャワーを浴びて、ベッドに体を横たえる。疲れているのに、まるで眠れない。



部屋着から外出着に着替えると、深くキャップを被って外に出た。



こんな日は、横浜のコーギーに行きたいとこだけど、明日も早朝から仕事だからと、タクシーで都内のクラブに向かった。



< 20 / 218 >

この作品をシェア

pagetop