Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
-Side Hinako-




「連絡しちゃいなよ」



テニス部の更衣室。体操服から制服に着替えながら、亜理沙が言った。



「無理だよ」



ぶんぶんと首を横に振る私を見て、亜理沙は大きなため息を吐いた。



「いつまでそうしてんの?待ってるだけじゃ、何も変わらないよ」



いつになく真面目な顔の亜理沙。七倉さんから電話番号を貰ってから、毎日、同じやり取りをしている。



あれから1ヵ月、七倉さんには電話していない。



だったら七倉さんの番号なんていらないでしょ?と思うけど、受け取ったメモ用紙を捨てることも出来なくて。



その上、七倉さんの番号を、しっかり自分のスマホに登録しちゃってるし。



本当に、自分でもどうにかしちゃってることは自覚してる。



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